Story - Disaster -

- prelude -

―― 希望は過ちなのか。
本当の答はきっと誰にもわからないだろう。
けれど彼らははっきりと言うのだ。
『ああ…なんてことだ!貴方のしたことは間違っている!!』
『天使と悪魔が仲良くするなんてあり得ない…そんなこと出来るものか!!』
飛び交う批判、批評の数々。
かすかな希望を信じる二人の心に、刃のように刻みつけられた痛み。
なぜ、決めつけてしまうのか。
なぜ、理解しようとしないのか。
なぜ、何一つ自分達の想いを受け止めてはくれないのか。
そう尋ねて返ってくる応えは、結局何も変わらない。

現実とはこんなに非情なものなのか。
周りは全てを拒絶し否定する。
自分達が長い時間を掛けて信じ続けた夢を、いともたやすく斬り刻んだのだ。

ようやく繋ぎ止めた一つの楔。
決して離さないと心に誓った大切なもの。
『ずっと一緒にいよう』
『大丈夫、きっと周りも理解してくれる』
『この子は私達の希望だ』
『互いに分かり合える、そう信じていれば必ず…』

失ったときに残るのは、消えない傷。
奪われて途絶えた、絶望。
心の奥底で膨れ上がる、憎悪。
無意識に向けてしまう、怨念。
何もない世界、悲愴。

一度掴んだ光はどこか遠くへ離れていってしまう。
留めようとしても、この手ではもう届かない。

『我らの希望は過ちだったのか…?』
『いいえ、私達は分かり合えた。だからきっと…』

強制的に引き裂かれてしまった、強い絆で結ばれた二人。
堕とされた希望を、彼らはずっと信じ続ける。
たとえ離れ離れになっていても…。